Voice





「元木哲也さんが、好きだから。」




私が、

真顔で

そう言ったのが、

何故か

面白かったらしく、




「美紀ちゃんって、面白いねー!」

と笑った。





「美紀らしいね!」



遠夜は、

何故か苦笑いしてるし。





「ホント信じられねぇ。」



梓も

ため息をついていた。







「いいじゃない。

私の勝手でしょ?」






そう言うと、

ケータイのバイブ音が鳴った。








あっ。

私だ。





今、何時だろ…!!








「い、いけない!」






もう、こんな時間だよ!




この後、

レッスン入れてるんだ。








「私、先に帰るね!

じゃあ、遠夜。

また明日ね!」









「明日って、何だよ!」







やばっ。



焦ってて、

つい口を滑らせた。






梓が、睨んでる。






響子さんも

怪しんでるよ。






「が、学校でね!

って、意味!




…って、言うか、

梓には関係無いでしょ?



とにかく行かないと。

響子さんも、

また、よろしくお願いします!

それじゃ…。」









上手くごまかして、

その場を去った。








明日は、

待ちに待った

VoiceのデビューLive。





その為に、

先生に頼んで

レッスン入れて貰ったんだ。






元木さんに会えたから、


緩んでたよ!

私。








急げー!






全力ダッシュで、

レッスンに向かった。




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