Voice


『社長!待ってください!!』






今の声…。







「…梓?」






『今、

美紀と話してるんですよね?!

…失礼します。』







社長の『えっ?!』

と言う声がして、

梓の声が聞こえた。








『美紀、いるんだろ?

今、お前、どこにいるんだ?!』







苛々した声。


そうだよね。

梓は、

いつだって誰よりプロ意識が高い。

怒っても、無理無いよ。





幻滅されたかな?







「今、車の中。

渋滞してて…。

迷惑かけて、ごめんなさい。」







謝って、

許される訳

じゃないけれど…。







『謝ってる暇あったら、

急いで来い!』








ですよね…。


梓は、

許してくれないよね?







『梓!

そのことなんだが、

代役が決まったんだ!

だから、安心しなさい。』







ズキッ。




隣りで社長が

そう言ったのが聞こえた。






代役。


私は…。





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