Voice
「…紀!
美紀!しっかりしろ!」
気が付くと、
梓が私の肩を揺すってた。
…一瞬だけ、
気を失っていたみたい。
ハッと、
気がついて、
逆に梓の肩を揺すった。
「…出番、
出番はいつ?
間に合わなかった?私?」
梓は、
腕を掴んで私を引き寄せた。
「落ち着け!
間に合ったから。
…ったく、心配させやがって。
なんで上着着てないんだよ!
マネージャー!飲み物と毛布!」
…はぁ。
間に合ったんだ。
よかった。
「美紀ちゃん?!」
聞き覚えのある声に振り向いた。
社長は、
慌てながらやって来た。
隣りには、
キャサリーが
派手な衣装を着て立っていた。
「本当に…本当にいる!
奇跡だ!
奇跡が起こった!」
社長は、
私を見て、呆然と言った。
「エーーッ!
何でこの子がここにいるの?
せっかくキャサリーが来たのに!!」
いつもの甘ったるい声だったけど、
目は、本気で私を睨んでいた。
「っていうか、
生放送の仕事で遅刻とか、
仕事舐めてませんかぁ?
キャサリーなら、
絶対にしませんよー。」
…グサッ。
痛い。
痛すぎる。
どんな事情があれど、
まさか、
キャサリーに
こんな情けない事
言われる日が来るなんて…。