Voice



「仕方ないんだよ。

美紀ちゃんは、

仕事だったんだから。」








社長が

即座にフォローしてくれたけど、

キャサリーは、納得してない。








「生放送以上に

大切な仕事って、何ですか?



中途半端なのって、

良くないと思う!」







中途半端?





…。








「梓君!

急いで下さい!

本番まで時間ありません!

スタンバイお願いします!」









マネージャーが走って来た。




…行かなきゃ。









「美紀ちゃん。

平気かい?

無理しなくていいんだよ!

キャサリーがいるし…

後に響いても…」







社長が、

何かまだ言いそうだったけど、

遮った。








「心配しないで下さい。

私、やるって決めたことは、

途中で止めたりしませんから。」






そう。



私は、

もっと上を目指していく。



そう決めたんだ。






ベルだって、

美紀だって絶対に熟して見せる!






グッと気合いを入れて、

キャサリーを睨んだ。







「私、

そんないい加減な気持ちで、

やってないから。

よく見てて。」








見返してやる。




絶対に。


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