Voice


周りにいた人

みんな固まっていた。





だって、

遠夜も

それから梓も

顔が

真剣そのものだったから。






睨み合っていたのは、

ほんの数秒だったけど。






私にとって、

ものすごく長く感じた。






遠夜は、

梓を突き離すと、


「美紀、行こう。」と

私の腕を引っ張った。






「えっ、

あっ?

ちょっ…。」








強引な遠夜に

何も言えず、

されるがままに

出口の方へ引っ張られた。





引っ張られながら、

何か話そうとしたけど、





遠夜の顔が

あまりにも怖くて

何も言えなかった。







遠夜…?



一体、どうしたの?





私のせい(?!)で、

二人の距離が

すごく

遠くなってしまったのは、

きっと、

気のせいではない。

と思う。






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