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20.気まずい昼食

○20○


そして、

撮影は滞りなく進み、

問題の昼食時間となった。




何故か、

今日に限って

遠夜も梓も用事で居なくなり、

響子さんと

二人っきりで食事を摂っている。





正直、

気まずくて

何を喋っていいのかわからない。



と、言うか、

食事も全然喉に通らない。





「美紀ちゃんは、

櫻木高校に通ってるの?」




「ゴホッ…。」





突然、話し掛けられて、

飲んでたお茶を

噴出しそうになった。




「だ、大丈夫?!」



慌て、ハンカチをくれる響子さん。




「大丈夫です。すみません。」




受け取って、

落ち着いてから、頷いた。






「はい。

一応、櫻木高校です。」





「そうなんだぁ!

じゃあ、

梓や遠夜と同じなんだ!


いいなぁー。

やっぱり、

私も家族押し切って、

櫻木高校に通えば良かったなぁ。」





響子さんは、

羨ましそうにそう言った。





「同じクラスなの?」




首を振って答えた。



「違います!

同じ科ですが、

違うクラスで…」





響子さんは

「ええっ!」と、

すごく驚いて言った。




「嘘っ!!

違うクラスなの?!


二人と凄く仲良いから、

てっきり同じクラスなのかと思ってた!」





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