Voice
「ホントに、今日は不幸な日だったみたい。

朝から悪い事ばっかり起きてたし。



勝手に連れ去られるし。

意見は否定されるし、

無理矢理ステージに立たされたし。」






「…ごめんなさい」





ベルは、下を向いて言った。




私は、息をついて、笑って言った。






「…でもね、ベルの歌に出逢えたのは、

幸せだったかも。



あなたの歌、最高だよ!

大好きになっちゃった。


一緒に歌えるなんて、すっごく嬉しい!

嬉しすぎて、今までの不幸が吹っ飛んじゃったよ。」






「…うん。

私も出会えてよかった!」





お互い仮面で、顔が隠れてるから、

実際は、表情なんか全然見えないけれど…。





この時は、私も、ベルもわかったと思う。


仮面の裏にはきっと…。











本日、最高の笑顔!!










私は、ベルを正面から、

しっかりと向き合って言った。





「私、ベルみたいに、上手じゃないかもしれない。





でもね、何よりも歌が大好きだから。



ベルに合わせられるようにするから!!

…よろしくね♪」






すると、ベルは、大きく頷いて言った。





「こちらこそ、よろしく♪」




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