Voice
突如、呼び止められて、振り向いた。




そこには、ベルが立っていた。



私は、微笑んで言った。







「…ベル。

あなたと一緒に歌えて、よかった!

ありがとう。

…すっごく楽しかった。




あのね、仕事辞めたいなら、

素直に、あの社長に、

直接言わないと駄目だよ。



人生は、自分で切り開かないと!

私は、応援してるから。

…頑張って。」




そう言って、衣裳をつき渡し、

私は、走り出した。





「ま、待って!!」








 最後に、聞いたその声は、ベルの声じゃなく、

誰か男の人の声だった気がした。





 私は、呼び止められても、

振り返ることなく、走り続けた。





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