Voice
その日は、無事に帰る事が出来た。





帰っている最中の記憶は、

まったく無くて、放心状態だったと思う。





家に帰ると、父親と母親が、

カンカンに怒っていた。






その場は、上手くごまかして、

食欲もなかったから、風呂に入り、

自分の部屋に行った。







部屋に入ると、すぐに、

ベットに、ねっころがった。






そして、お気に入りのCDをかけた。












 ふと、今日起こったことを、

思い返していた。







…はぁ。

今日は、夢のような日だったなぁ。





大変だったし、嫌だったし…。
















でも…楽しかったなぁ。





ベルの歌声は、本当に綺麗だった。



…歌手の仕事、

本当に辞めちゃうのだろうか?

















本当は…。













本当は、もう一度、一緒に歌いたかった…。









枕をぎゅっと抱いて、首を振った。


…いや!

もうデュエットは、いいんだ。







今日寝て、明日起きた頃には、

今日の事なんて、忘れてるに決まってる!







ふと、気付いた頃には、夢の中だった。
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