Voice
社長は、満足そうに、

頷いて言った。



「すごいだろ?

君達のデビューには、相応しい条件だ。」






私は、遠夜と、顔を見合わせた。

社長は、嬉しそうに、

笑って話を続けた。





「そこで、だ。

良いデビューを飾るには、

まず、美紀ちゃんの芸名を、

決める必要がある。




…と言うか、私が考えてきた。」






社長は一度、息をついて、

真剣な顔で言った。







「ベルと言う名前も、私が、決めたんだが、

遠夜の声は、綺麗で、

教会に響き渡る、鐘のようなので、

そう名付けたんだ。



美紀ちゃんの場合は…。」







私は、息を飲んだ。

社長は、突然、手を広げて、言った。





「…まるで、鳴り響く鐘を包み混む、

壮大な夜空…!




名前は、夜の『ナイト』だ!」





最後に、ビシッと、私を指した。







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