Voice
”バタン”←車のドアが閉まる音。
…どうにか、
無事に車にることができた。
「…ふぅ。」
一息つくと梓が言った。
「…お前なぁ、
トロいんだよ!
もう少しで、捕まるトコだったろ!」
すると、遠夜が、梓の肩を叩いた。
「まぁまぁ。
美紀は今日が初めてなんだし、
仕方ないよ。」
しかし、梓は、さらに怒鳴った。
「あのなぁ、
今日は、初めてかもしれないが、
これから、ずっとなんだぞ!
自覚が、足りなすぎる!
やる気あんのか?!」
な、何なの?
この言い方!!
「梓、そんな言い方しなくても…。
突然、
後ろから人がたくさん走ってきたら、
誰だって、
驚いて固まっちゃうよ!」
遠夜が、そう言うと、
梓は、私を睨みつけた。
「そこが、
自覚足りないって言ってんだよ!
プロ意識のオーラが少しもない。
今のうちに、辞めた方がいいんじゃね?」
…ムカッ。
「…梓。
今の言葉、撤回しろよ!
いくらお前でも許さないぞ。」
遠夜は、梓を睨んで言った。
梓は、そんな遠夜の事を
知ってか知らずか、
お構いなしに言った。