Voice



そう言い切ると、

ビシッと、梓のおでこに、

指を突き立てて言った。







「そういうの、

プロとして、

余裕が無いんじゃないかしら?




確かに、

今はあなたの方が、

経験豊富かもしれない。




けど、すぐにあなたなんか

目じゃない位に、売れてやるから!!




覚悟してなさい!」







すると、

梓は、鼻で笑って、

私の人差し指を掴んだ。






「…面白れーじゃん。

それだけ言ったんだ。





…嘘ついたら、

タダじゃ済ませないからな。」







「望むところよ。」










こうして、

私と梓の喧嘩は幕を開けた。









私は、全然悪くないもん!!





全部アイツが、悪いんじゃない!






…って言うか、

すでに、私の方が、

全然売れてるんじゃないの?!









イライラ…。










…ふう。

まぁ、いいや。





とりあえず、

アイツなんかに絶対、

抜かさせやしない!




負けないぞ!






そんな事をしている内に、



私たちは、

事務所へ到着したのであった。



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