ふたりだけの特別な絆
「あ、悪い悪い…。ついつい話が先に進んじまった…。一気に色々と言っても、分からねぇよな…。」
私がコクンと頷くと、男の人は人差し指でコンコンと鍵を突いた。
「5日ぐらい前だったかな。宏明おじさんのお願いを引き受けて欲しい…ってことで、親父から電話があったんだ。」
「お願い…ですか?」
「ああ。“しばらく紗倉家で生活してもらいたい”っていう内容だった。宏明おじさん…、“遠出の出張に行くことになったから、その期間…家のことが心配だ…”って親父に話したらしい。」
「そ、そうだったんですか…。」
5日前…って言うと…
お父さんから出張のこと聞いた翌々日ぐらいだ…。
そっか…。
お父さん…この家に残ることを選んだ私を心配してくれて、それでこの人に……
ん…?