ふたりだけの特別な絆

「あ、悪い悪い…。ついつい話が先に進んじまった…。一気に色々と言っても、分からねぇよな…。」


私がコクンと頷くと、男の人は人差し指でコンコンと鍵を突いた。


「5日ぐらい前だったかな。宏明おじさんのお願いを引き受けて欲しい…ってことで、親父から電話があったんだ。」


「お願い…ですか?」


「ああ。“しばらく紗倉家で生活してもらいたい”っていう内容だった。宏明おじさん…、“遠出の出張に行くことになったから、その期間…家のことが心配だ…”って親父に話したらしい。」


「そ、そうだったんですか…。」


5日前…って言うと…
お父さんから出張のこと聞いた翌々日ぐらいだ…。


そっか…。
お父さん…この家に残ることを選んだ私を心配してくれて、それでこの人に……


ん…?



< 31 / 467 >

この作品をシェア

pagetop