リフレイン
「――…なに…してんの…?」
あたしは気付けば、更衣室を出て2人の前に出ていた。
「みずっ…」
戸田さんは酷く驚いた様子だ。
あたしはそんな戸田さんに何も言うことが出来ず、視線を逸らした。
「水樹…」
美姫はいたって冷静。
あたしはそんな美姫に苛立ちを感じた。
「何してんの?美姫」
あたしは恐る恐る聞いた。
「ちがっ…水樹!!誤解だっ…」
「ごめん水樹」
戸田さんの声を遮るように、美姫が口を開いた。
「今までずっと黙ってたけど…あたし…水樹と戸田さんが付き合う前からずっと戸田さんのことが好きだったの。」
「付き合う前から…?」
「えぇ」
嘘…でしょ…?
美姫が戸田さんのこと好きだったなんて…
あたしは目の前で起きている出来事をよく理解出来ずにいた。
マジでなんなの…?これは…
「ホントにごめん、水樹。」
再び謝ってきた美姫に居たたまれなくなって…
逃げた。
「水樹っ!!」
後ろからあたしを呼び止める戸田さんの声がしたけど、立ち止まってる余裕なんて今のあたしにはなかった。