子うさぎのお世話

ハルの不安

時春は真白家にある自室で、グッと拳を握りしめていた。


雪兎は自分の部屋で、もうぐっすり眠っているだろう……。


従兄弟の英彰が現れてから……時春の心の中は渦巻く不安に押し潰されそうだった……。



毎晩のように抱いたのも…

腕の中にいる間、自分のものだと思えるような気持ちになった。

身を委ねる雪兎に安心して……。


バカだ……ッ!!


雪兎を信用していないんじゃない……。


いつか……雪兎を壊してしまうんじゃないかと……、


自分自身が怖い……!!


保健室のベッドに横たわる雪兎を見た時……。


ただでさえ儚げな雰囲気をもつ雪兎は、
そうしていると消えてなくなりそうな感覚にさえ見えた。



それも全て自分のせいで………。



『おまえは彼女にとって毒にしかならない……』


英彰の言葉は時春の頭から片時も囁きを止めない……。



常々自分でも自覚していた事を突き付けられた。



何よりも愛している雪兎………。



綺麗な雪兎を守る為になら……


うさを手離すことが……


俺に出来るのか………?








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