子うさぎのお世話

子うさぎの不安

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「……っ!悪い…」


「…………悪くない」


朝食をたべていた時……、
時春の手が雪兎の手に微かに触れた。


それは……謝るようなことではなかった。




ハルは相変わらず様子がおかしかった…。


雪兎が貧血を起こしたあの日から……


今度は雪兎に触れるのさえためらっているように感じる………。


いつも側にいるのに…まるでどこかに行ってしまうような不安が、雪兎の胸を苦しめた。






「………わたしを置いて行かないで………」

小さなつぶやきはテレビの音にかき消えた。
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