子うさぎのお世話
「おまたせ~…って、何よ?その凄まじい紙袋……」


棗は秋良が持っている馬鹿デカイ3つの紙袋を指差して固まった。


袋の中身は言わずと知れた大量のチョコレート……。


秋良は慌てて首を振って


「ち、違うから…!これ全部ハルのなんだよ~…っ!」


秋良は情けない声で棗に訴えた。





☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

この日、時春は雪兎と下駄箱で別れた後から非常に機嫌が悪かった………。



下駄箱の前で固まっていた時春に声をかけたのは運悪く秋良だった……。


「おはよ~…って、なに固まってんだよ?ハル……――!!?」


「………」


固まる不機嫌極まりない時春の靴箱には……、


これでもか…ッ!!ってくらい詰め込められたチョコレートの壁が………!!


「……ナニソレ…?新手の嫌がらせ……?」


秋良が思わずつぶやくと、


「そうだよな……?これはどうみても嫌がらせだよな……っ」


――ガスッ!!と、その壁に拳を突き入れるようにしてチョコレートの山を下に落とす。


「……やる」


そんでもってまとめてポイっと秋良に押し付けやがったのだ…!!


「い…っ!いらねーよぅ…ッ!!?」


秋良の声なんて聞きもせず……悪魔はスタスタと行ってしまった。


押し付けられたチョコレートはこの時点でデカイ紙袋一袋分……。


これが更に膨れ上がろうとは秋良は夢にも思わなかった………。

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