君に笑顔を ~地味子に恋したイケメンのお話~
「そろそろ寝るか?」

「うん」

しばらくソファーに並んで座ってテレビを観ていた二人だったが、瑞希が小さく可愛いあくびをするのを見て、達也はそう言いながらスッと立ち上がった。

収納棚から白い枕カバーを出し、ベッドの大きな枕のカバーを手際よく交換し、布団を整えると瑞希を向いた。

「瑞希はここな?」

そう言って達也はベッドをポンポンと叩いた。

瑞希はベッドに近付いて行き、ダブルの広いベッドの中央に枕が一つだけあるのを見て、不思議そうな顔をした。

「達也はここで寝ないの?」

「ああ。俺はそっちで寝るよ」

達也は二人掛けのソファーを指差した。ところが、

「どうして?」

瑞希は不思議そうに首を傾げるのだった。
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