君に笑顔を ~地味子に恋したイケメンのお話~
「どうしてって、まさか一緒に寝るわけには行かないだろ?」

「だから、どうして一緒に寝ないの? こんなに広いのに…」

(こいつ、分かって言ってるのか? もしかして、誘ってる?)

「じゃあ、俺がその気になってもいいんだな?」

達也は真剣な顔で瑞希を見たが、瑞希は不思議そうに首を傾げるのだった。

「“その気”って?」

「おまえさ、俺のこと、からかってないか?」

「ううん、そんな事しないよ」

そう言った瑞希の言葉に、偽りはなさそうだなと達也は思った。

(という事は、こいつは相当にうぶらしいな…)

「あのさ、俺達はキスしたよな?」

「うん」

「その次に男と女がする事って何だか、おまえ知らないの?」

瑞希は「えっと…」としばらく考えているようだったが、急に思い出したらしく、口を開いた。

「寝るんでしょ?」
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