愛してよ、先生
第一章

夏の出会い

一年前、あたしは中学3年生だった。



あなたに出会った中3の夏。



あたしは絶対に忘れない。



―――――……


『それでは、説明致しますので、配られたパンフレットを見てください』



体育館内にマイクを通して、響く。



中3の夏休み、あたしは入学予定の高校の体験学習に来ていた。



学校の説明を聞くために体育館へ集合していた。



マイクを持って話を続ける先生の声がどこか遠くで聞こえる感覚に襲われる。



…暑い。とにかく、暑い。



こんなくそ暑い中、体育館で話を聞くとか終わってるよ…。



『季穂?大丈夫?』


『んーなんとか』



前に座っていた友達があたしの異変に気づき声をかけてくれた。



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