FLOWER PRINCESS
『……ラさん…ミラさん…』
「ジュリ、さん?」
目を開けると目の前にはジュリさんがいた。
お父さんも王様もいない。
それに、ここはあの部屋ではなかった。
私、ジュリさんからもらったジュースを飲んで…寝てしまった?
薄暗く、松明の炎がジュリさんの顔を照らしている。
「ミラさん、ここは夢。
でも、今から話すことは現実で起こっている真実。
どうか、聞いて?」
ジュリさんの真剣な眼差し。
「はい。」
ミラが頷くと、ジュリはミラの腕をとり歩き出した。