あなたの傍で…

「フッ…いじゃん。」


「は？」


「忘れられるわけないじゃん。桃のことなんて。」


「え？じゃあ演技？」


「でもないと桃は俺のこと嫌いになってくれないだろ？」


俺は青木だけに全てを打ち明けた。


事故るまえに考えていたことや、今のこと全て。


青木に話したら気持ちが楽になった。


「じゃあいつ嘘って言うの？」


「わかんねぇ。桃には内緒な？」


「でもっ。」


「桃、辛そうだったろ？俺は表情で分かった。見た目でも分かった。桃のことは好きだよ。めっちゃ。だけど好きなだけ辛い思いもさせたくないんだ。俺が重荷になってるなら嫌いになって忘れてほしい。」


「やっぱあんたたち似てる。」


「は？」


「桃もあんたと同じこと思ってるよ。」


「どーゆーことだよ。」


「桃と連絡が途絶える前に一回連絡したんだ。そしたら『麗央を嫌いになる。そうすれば麗央も楽になるし…そう思ったんだけど無理みたい。だったら麗央に嫌われるように私になりにやってみるよ。』って言ってた。その内容はそのとき分かんなかったんだけどね。」


「俺…桃に逢いたい。今すぐ。」


「私帰るからメールしとく。麗央くんが死にそうだって。」


「ははは。サンキュ。」


俺はこのとき青木にものすっごく感謝した。