《完》17歳の医者 ~天才医者は助手に恋した~
「何か、今ものすごい音聞こえなかった?」

「ルナは耳がよすぎるからっちょ。
 気にするなっちょ。」

 あたり、何も見えない。

 ルミナミエは、かなり遠くの音が聞こえることがあるから。

 それでも、チョンッピーの言葉を無視して、ルミナミエは疑う。


――もしかして、これは、病院の方向に走っているんじゃないの?――

 ルミナミエの耳には音がどんどん大きく聞こえる。

 一瞬、ローデンス家の敵であるドードレッシ家の者が襲いに来たっと思った。

 ドードレッシ家については、またあとで触れよう。

 だんだん白い雲の量が多くなってくる。

 太陽がどんどん覆い隠されていく。

「こっ、これは、ルナの言うとおりかもしれないっちょ。」

 ルミナミエとチョンッピーはお互い顔を見合わせた。



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