《完》17歳の医者 ~天才医者は助手に恋した~
 一気にエクシリオンの目をそらす。

 でも、ルミナミエはどこかむしゃくしゃして。

 ピーチクピーチク、鳥の鳴き声が聞こえる。

 怒りがますます増す。

 エクシリオンは動かずに、じっと見る。

 ルミナミエは、背後に感じるエクシリオンがただ邪魔で、暑く感じる。

 
――もう、限界。――

「出て行って。」

 震えながらの小声。

 エクシリオンは、動こうとしない。

「出て行って!!!」

 大きな声を出して、浅い呼吸。

 エクシリオンは、どうすればいいのか一瞬戸惑う。

 そのまま、長い沈黙となる。



 気づいたら、エクシリオンがいなかった。

 単なる鈍感だったのか。

 でも、ルミナミエはそのことに対する感情が分からないまま、次第に何もわかなくなった――

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