《完》17歳の医者 ~天才医者は助手に恋した~

壱 逆境の最中で

 真っ暗な部屋の中から、白い光の筋が差し込んできた。

 一つ、二つ、三つ・・・っと数えきれなくなった。

 やがて、筋が見えなくなったころ。

 ルミナミエは目を覚ました。

 ベッドの上、しかもちゃんと毛布がかかっていて、枕も敷いてある。

 すぅっと起き上がり、どういうわけかわからず、ただ頭をぼけっとしている。


――どういうこと。――

 周りを見れば、そこには朝ご飯がある。

 だれが置いて行ったのだろうか。

 ルミナミエはやっと思い出した。


――確か、昨日、ひどいこと言われて。
   シオンが付いて行ってくれたけど、
   私・・・出て言ってって言っちゃったんだ。――




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