《完》17歳の医者 ~天才医者は助手に恋した~
 ルミナミエは、そんな経緯を知らないのだろう。

 そもそも、二人を殺したことがばれたのだろうか。

 エクシリオンは首をかしげたが、おそらくばれなければこんな攻撃に出るはずがない。


――こんなお互い復讐しあっては、大事な物を失っていく。

   もう、終止符を打ちたい。

   そして、ルナに謝りたい。――

 エクシリオンは立ち上がる。

 一瞬よろめいたが、踏ん張り念じる。


――ルナはどこだ、ルナはどこだ・・・。――

 目を開き、扉を開けて走り出した。

 そして魔法をかけ、さらにスピードが増す。

 道行く人の目は気にせず、ただ走る。


< 145 / 222 >

この作品をシェア

pagetop