《完》17歳の医者 ~天才医者は助手に恋した~
「それにしてもね、よくも敵のアジトに潜り込んで殺そうとしてよね。
 感心、感心。

 だけど残念ね。この家に入った瞬間からもう分かっていたのよ。

 小娘ちゃん。」


――最初から分かっていた!?――

 さっきまでの自信はどこへやら。

 怒りが体中に染みわたっていく。


「仕方ないでしょう。悪いことしたから。

 ばれても、ばれなくても別にいいんだから。」

 怒りが声にまで染みていた。

 アルベールがさらに笑う。

「悪いこと?悪いのはローデンス家の方だ。」

「はぁー!」

 ルミナミエの音が上がった返事。

 普通の人だったら、さらに怒るのだが。



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