《完》17歳の医者 ~天才医者は助手に恋した~
 ベッドの上で体育座りをし、ひざの上に突っ伏した。

 いつもなら、多分つらい体勢だが、つらく感じない。

 次々と思い浮かぶ、様々な思い出。

 様々な気持ち。

 どれもみな、シャボン玉のようにふわりと浮かんでは、壊れて消える。

 ただ、割れずに残っているのはただ一つ。

『ミュウエノアのことを思う気持ち』

 

 ・・・・・・・・


「ルナ、何落ち込んでいるの?」

 まだ幼いミュウエノアがいる。

「それは・・・。」

 っとルミナミエが言いかけて、うつむく。



――こっこれは、幼いころの私とミュウ姫様?――

 夢の世界にいるのか。それでも、思い出の中に入っているのか。

 どちらも現実ではないのは確かだ。



< 91 / 222 >

この作品をシェア

pagetop