《完》17歳の医者 ~天才医者は助手に恋した~

弐 傷とともに

「はぁぁ。」

 もう何時間前も前から、ずっとルミナミエはため息をついてばかり。

 自分の部屋に一人閉じこもって、枯れた涙を流そうとする。

 あれから半日後。

 もう、涙を流す気力さえも失った。

 たとえ、エクシリオンでさえも中に入れない。

 いや、入ったらどうなることか。


――天才・・・若き天才医者。

   私は、もうそう呼ばれないの?――

 今はまだ自分の失敗はばれていない。

 だけど、いつばれてもおかしくない。

 もしばれてしまったら・・・、きっと・・・

 何とも自己中な考えが、頭をよぎっては離れない。

 そう思うと、ミュウエノアに申し訳なく思う。



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