ブラッツ



「ちょいとお嬢さん」

少年はスピードを落としながら俯く。

いや、正直に言えば眠気に負け、コクリと頭が下がってしまう状態。



「眠い…」


呟く。


眠いなんて当たり前だ。


なんてったって朝から新聞配達、それからコンビニでバイト、夜も深夜までバイト、とハードスケジュールなのだ。

詰に詰め込んだアルバイト。

12時なんて、もうとっくに寝ている時間だ。



すると少女はギロリと少年を睨み

「つかえないなぁ、あんたはガキか」


呟き、何やらカーナビを操作しだす。




一方、少年は死んでいた。

限界だ。

少女の言葉なんかこれっぽっちも入ってこない。





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