*クリスマスのキセキ*
「いいなぁーやりたい夢あって」



 あたしにはない。



まだ、一年だからいいか……なんて思ってる。



進路をもう、決めて頑張ってるクラスの子もいる。



「でも、叶えられるかどうかが、問題だけどね。



まぁ〜無理になった」



 濃紺の空を見上げて言った。



「大丈夫じゃないの?



めっちゃ、ダンス上手いじゃん☆」



「そんなん、世の中には腐るほどいるし。



それよか、もっと無理な事情が出来たから……」


「そっか」



 あまりにも辛そうな彼に、これ以上聞いちゃいけない気がした。
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