*クリスマスのキセキ*
「気をつけてね。



さっきの奴には、特に」


 彼の言葉に、ほんとこの人いい人なんだ、と思った。





 その時、着信音が鳴った。



  ♪〜♪〜♪



瑛斗の着信音…。



あたしは、携帯の電源を切った。



一度目を閉じた。



瑛斗には、もう気持ちがないのかも……



さっきの彼に、話かけてみた。



気分を変えたい。



「運動神経いいんだね?」



 あたしは思わず、そんなことを口にしてた。



「そんなことないから、全っ然。



体動かすのは好きだけど!



ダンスは特にかなっ!!」



 目を輝かせながら、言うその顔を見て思い出した!



「もしかして夜、南武デパートの前で踊ってたことある?」



 あたしは思い出したんだ。
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