屋敷の主

リシェナはまた込み上げてくる涙にゴシゴシ頬を擦り、深呼吸した。

馬の声がする。

来たわ、ルートスが。

しかし、近づく人影はルートスより大きかった。
ルートスは茶髪だが、こちらに向かってくる男性は黒髪。

あれ?
ルートスじゃないの?

さらに、美しい白馬がリシェナの目の前で動きを止めた。

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