屋敷の主

馬から降りて、その男はリシェナにゆっくりと近寄った。

無表情でリシェナを見下ろす。

リシェナは美しい服と眼帯と緑の瞳をじっと見てしまった。

「…君がリシェナか?」
ハッと我に返り、リシェナは慌てて返事をした。

「は、はい!そうでございます!」

男は一瞬フッと笑って、名前を名乗った。

「私はジェイス。悪いが、君は私に嫁いでもらう」
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