響け、空に―
「若森笑美子にしたんだ…良い話だぁ‼」
山崎さんは涙ぐんでいた。
「頑張ろうね‼笑美子ちゃん‼その子のためにも、うんと有名になろう‼天国にも届くくらい‼
あ、でも今の話は大切な人にしかしちゃダメだよ?面白おかしく週刊誌に書かれちゃうかもしれないから。」
「はいっ‼」
今思えば、この時から山崎さんとは良いパートナーになれる気がしていた。
そこからの長い長い下積み時代…
今みたいに有名になれたのは最近だし、嬉しいことに休む暇もないくらいで…
今日は久しぶりのお休み。
「…あっ‼もうこんな時間‼」
朝食の片づけをすませて、急いで着替える。
マンションを出て、駅に向かった。
「ねえ…あれってもしかして…」
「若森笑美子ちゃんだ‼」
遠くの方で話しているのが聞こえた。
急いで駅に駆け込み、電車に乗る。
ぼーっと外の景色を見ていた。