意地悪てぃーちゃー
「心?また泣きそうな顔してる…。どうした?」


えっ………………
うち泣きそうな顔してるん?
そんなん理由とか、井澤に言われへんよ。


「大丈夫やで。あくびしただけやし。」


「…強がんな。心?泣きたい時は泣け。俺が泣き止むまで傍に居る。」


井澤…
その優しさは反則や。

やっぱうちは生徒でしか無いんよな。


そんな事を考えてたら、涙が溢れ出した。

あぁ…やっぱうち最低や。
井澤の前で泣いてばっかで、迷惑かけてる。


そんな事を考えていたら、いきなりフワッと身体が包み込まれた。


えっ?
井澤に抱きしめられてる…?


「心…俺は好きでお前の傍に居るからな。なんも気にするな。」


「んっ…ありがとう。もう泣き止んだで?」



この状態にビックリし過ぎて、涙は止まって居た。

でも井澤は一向に離す気配は無くて、それよりかさっきより力強くなった。


車内は無言のまま、時間だけが経って行った。

しばらくして、やっと井澤が離れた。
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