意地悪てぃーちゃー

受験

駅について、周りを見渡すとやっぱ中学生が多かった。

うわぁ・・・
なんかみんな頭良さそうに見えるわ~。


…って事は、うちもそう見えてるって事やんな。
それはそれで、ちょっと嬉しいかも。


うちはそんな事を考えながら、高校までの道を歩いてた。


高校が見えてくるにつれ、うちの緊張が戻ってきた。

うわぁ…人多いな~。
そう言えば、荒木ちゃん来てるねんな。


うちはキョロキョロしながら、校門を通った。


「きーたーざーわー。」


後ろから聞き慣れた声が…
でも、これは恥ずかしいぞ。

出来れば振り向きたくないし、他人の振りしたい。


「おーーい。北沢心。無視すんなぁ。」


うん。やめて頂きたい。
うちはダッシュで荒木ちゃんの所まで行って、荒木ちゃんを連れ出した。


「ハァ…ハァ……荒木ちゃん。恥ずかしい。」


「北沢が気付かんのが悪い。ってか、体力落ちすぎやろ。」


息が上がってるのは、うちだけやった。
いやっ…受験前にダッシュってありなん?


「あの~一応テスト前なんですけど…?」


「お前なぁ…なんでダッシュしてん。アホか。」


「原因作ったん荒木ちゃんやろ~。」


そんな言い合いをしてるうちに、時間は過ぎていって…


「あっ。北沢!!もう一回ダッシュしろ。このままじゃ遅刻や~。走れ~!!!」


「荒木ちゃんのアホー!!!!!」


うちは半泣きになりながら、猛ダッシュで受験教室まで向かった。
< 206 / 280 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop