意地悪てぃーちゃー

井澤 side

今日は修学旅行の代休日。
3年の教師は、あまり出勤していなかった。


俺は今日、アイツを呼び出してた。
別に今日じゃなくてもいいけど、今日のが都合がいい。


昼前ぐらいにメールが来て、俺は急いで生徒会室に向かった。
中に入ると、沖縄で日焼けして少し黒くなった心が居た。


「よっ。休みやのに呼び出してわるかったな~。」


俺は片手を上げて、そう言った。
心は少しふてくされた表情を浮かべながら、いつも通りやった。


「本間それ~。もうなれましたけど。」


「昼飯奢ったるやん。まぁ心には大事な話やし…。」


心には大事な話。
荒木ちゃんから聞いた、英語の授業のこと…。
心に高橋の話をすんのは、正直辛い。
だって、いつも心が泣きそうやから。

でも・・・
コイツは受験生や。

やから取り返しがつかんくなる前に、話しておかなアカン。


「荒木ちゃんから聞いてんけど、お前英語の授業真面目に受けてないらしいやん。成績も下がってるとか。どう言う事や?」


心は露骨に嫌な顔をした。
本間、表情に出やすいねんから。


「サボってるワケちゃうねん。やる気が出んだけやねん。」


どんな屁理屈やねん!!
俺はココロの中で、突っ込んでいた。
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