溶心
駅に向かいながら
そんなことを感じた。
帰りの電車に揺られる。
今日も帰ったら
ゆーひ君は無愛想におかえりなさい、って言ってくれるんだ。
10年前かあ。
俺はまだ14歳で、ゆーひ君は6歳で。
その日、初めて会った。
多分、親戚かなんかの集まり、だったような。
俺は家庭事情が複雑だったから
親が変わるとか暴力とか、
まあそうゆうのって日常だったけど、
対してグレたりしなかったし、
反抗したりもしなかった。
でも、
誰も俺に近づこうとしなかった。
よく分かんないけど
捻くれてたオーラ出てたかなあ、あの時。