年上王子様とのアリエナイ××②


榊がああやって俺を呼び捨てにするのは久しぶりだな。

あれを最後に聞いたのは確か父さんと母さんを亡くした日だった。

葬儀を終え、呆然としていた俺に


「しっかりしろ、翔」

そう肩を叩いて言ったのが榊だった。

榊は父さんの大学の先輩で。

父さんと母さんが亡くなってから俺に仕えるようになった。


「私は翔様の成長を見守ることが仕事ですから」

そう言って。


チン

エレベーターの到着音が鳴り、でる。

柚子と初めて食事をしたホテル。



「大丈夫さ..絶対に」

そんな独り言を口にしながらホテルのレストランへ入った。


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