新パラレルワールド参加作品=The shadows=天才浅海ユウと凡才月星大豆の奇跡的コラボ[企画]
「ありがとう。でも、私には飲めない」
カップを受け取った女はキョトンとしていた。
「お水はいらないのでお願い、今夜ここに泊めてもらえませんか?」
彼女は私を見ていた視線を逸らすと、か細い声で「無理です」と言った。
「お願いします。今夜だけでも……」
「自分たちの水や食べ物さえ手に入れるのが難しいんです。
一晩でもヨソ者を泊めたと知れたら、あたしたちが追い出されます」
彼女はそう言って、少女の手を引っ張るようにして中へ入ってしまった。
「あっ、あの……」
何かに怯えるような拒絶の仕方に、私は追いすがることも出来なかった。
───ヨソモノ───
私は仕方なく小屋が並ぶ場所を立ち去った。
彼らの格好が自分と違い過ぎることを不思議に思いながら。
私は昨日までと同じ服を着ているのに、彼らはもう何年も前に災害か戦火にみまわれたような姿だ。
けれど……。
───私のように生き残った人たちがいる。
どこかに私を受け入れてくれるコミュニティがあるかも知れない───
そう思うと、さっきまでの孤独感が薄れていた。