新パラレルワールド参加作品=The shadows=天才浅海ユウと凡才月星大豆の奇跡的コラボ[企画]
瓦礫しかないように見えた平野の中に、粗末な小屋のようなものが見えてきた。
積み上げたコンクリートの上に木材を乗せ、ビニールシートで覆っただけの小屋。
他にも同じような小屋が点在している。
コミュニティという単語が頭に浮かんだ。
女の子はその一つに入っていった。
救われたような気持ちになる。
私には今夜眠る場所のあてさえなかったから……。
彼女が入っていった建物の入り口を覆うシートが揺れる。
中から出てきた女の子は、若い女の手をひいていた。
彼女もまるで戦時下のような汚れた服をまとい、長いボサボサの髪の毛をしている。
少女の母親らしきその女は、明らかに困ったような顔をして、欠けたカップを差し出した。
「あ、ありがとう……」
言いながら受け取ったカップの中の水は茶色く濁っていた。
───ううわ……───
死ぬか生きるかの瀬戸際まできていたら別だけど、今はとても飲めない。
「ごめんなさい」
私はそのままカップを返した。