新パラレルワールド参加作品=The shadows=天才浅海ユウと凡才月星大豆の奇跡的コラボ[企画]
「シン……」
『なんだ』
これから俺が話す内容を牽制するかのような、尖った短い応答。
「お前がフウカさんを助けたい理由は何だ。
亡くなった妹に似てるからって、本当にただそれだけなのか?」
シンは答えに詰まって黙り込んだ。
「妹そっくりな女の子に慕われて、断り切れなくて彼女と付き合ったのは解る。
けれど、キスすらしていない後輩を救うために、大学時代から付き合ってきた彼女との結婚を破棄するのか?
彼女は、ミュウとのことはどうでもいいのか!」
「………」
長い沈黙の後。レシーバーから漏れて来たのは、シンの深い溜め息だった。
そして思い切ったように続ける。
『リュウ。これは俺の……俺の贖罪なんだ』
「贖罪?」
『フウカに好きな女性が出来たと告げて半年ほど経った時、彼女からメールが来た。
私にも好きな人が出来ました。……ってな。
やっと先輩のこと、忘れられそうなので、このメールで先輩への連絡は最後にします。って書いてあった』
「まさか、それが……」
『そう。あのDV亭主だ。出会ってすぐプロポーズされたらしい。フウカは三年以上も、あの男の異常な暴力に耐えていたんだ……』
まるで三年の間、シン自身が苦しめられてきたかのような、辛そうな口調。
彼はフウカを妹の姿と重ねているから、余計身に詰まされてしまったのだろうか。