新パラレルワールド参加作品=The shadows=天才浅海ユウと凡才月星大豆の奇跡的コラボ[企画]
「シン、よく聞け。フウカさんのことはお前の所為じゃない」
そんな当たり前で、陳腐な台詞しか出て来ない自分に腹が立った。
『それは解っている。フウカが妹じゃないってことも……。
だが、彼女が誰かに殺されたり、誰かを殺したりしてしまったら……。
そう思うと……耐えられなかったんだ』
それは喘ぎにも似た、まさに苦汁を絞り出すかのような声音だった。
「シン……」
『もう二度と、二度とあの時のような後悔はしたくない……』
フウカと妹が別の人間だと認識していながら、やはり未だに面影を重ねている。
恐らく、妹を助けられなかったというトラウマが、シンの中にずっと眠っていたのだ。
フウカの苦しみを知り、完全には塞がっていなかった過去の傷が、また再び生々しい血を流し始めたのだろう。
『リュウ、頼む。とにかくどうにかして、なんとしてでも、無事にフウカを連れて帰って来てくれ。お願いだ……頼んだぞ、リュウ』
静かな口調の中に確固たる覚悟が窺えるシンの声。
しかし彼が話す内容は具体性に欠け、俺に縋ることしか出来ない自分への悲壮感さえ漂わせていた。
「解った。解ったよ、シン。間違いなく連れて戻るから、心配するな」
俺にはそうやって彼を落ち着ける他、なす術がなかった。