ストロベリー革命
「美味しいー?」

 怜華の席に戻った天花は、自分で作ったおにぎりを食べてもらっていた。

「普通のおにぎりの味がするわ」

「んも―――っ!! どうして直も藤堂怜華も同じ事しか言わないのー!? 素直に美味しいって言いなさーいっ」

「だって本当におにぎりの味しかしないわよ」

 冷めた表情で怜華は感想を述べるが、こんな事を言われても天花はちっとも嬉しくない。

“おにぎりの味がする”なんて、おにぎりを食べているんだから当たり前だ。

「いいもんっ!! 今度はもっと美味しいもの作って来るから待ってるんだよっ」

 天花は素早く弁当箱を片付けて、三組の教室をあとにする。

 教室を出る前にドアの所で立ち止まり、最後に直の座っている窓際の席に向かって、もう一度ベーッと舌を出した。

 天花と目が合った直はどんどん鼓動が高鳴っていく。

 ふざけた顔をされても高鳴っていく。

(やばいっ……。俺どうしようっ!!)

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