ストロベリー革命
「……げぇっ」

 その美少年を見た直の顔は酷く歪み、今にも吐きそうな病人みたいだ。

「直っ!! 会いたかったよ。君が園芸部に入ったと聞いて、僕はこうして毎日君の花を見に来ているんだ」

 そう言いながら、美少年は直に接近する。

「直のお友達ですかー?」

「何を言っているんだ小娘。友達などではない。僕は直のフィアンセだ」

 天花は頭を回転させて考えた。

(この人直が男の子だって知らないんだねー)

「ああ、とても会いたかったよ。一人部屋の君にルームメイトが出来たと聞いた時、僕は倒れそうになったんだ」

(そのままくたばればよかったのに)

「しかもそのルームメイトが、こんな小娘風情のちんちくりんとは……っ。やっぱり君は僕と住むべきだ」

 謎の美少年は誰も聞いていないのに、一人で長々と語りだす。

 世間ではこのような男をナルシストと言うだろう。

「小娘ってあたしの事ー?」

「君以外誰がいるというんだ」

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