ストロベリー革命
 美少年は直の真正面まで近づき、顎をクイッと持ち上げた。

(おぇええ゙ー!! 気持ち悪っ! 吐きそう)

「さあ直、僕と一緒に茶山花男子校の寮へ行こう」

「もももっ、門限があるので行けませんっ」

「照れているのかい? そんな君も可愛いよ」

(ひぃいい―――っ!! 照れてないし、なんで俺が隣の男子寮なんか行かなきゃいけないんだ!)

 さっきまでの恐怖心はなくなり、今では違う恐怖が襲ってくる。

 気持ち悪すぎて体中に鳥肌が立ったいるが、顔は必死に笑顔を作る。

 色白で綺麗な顔も今は青白く、引きつった笑顔ももうもたないだろう。

「……あのー、直嫌がってるみたいだから、今日はその辺にしてもらえますかー?」

 死にそうな直の表情を見た天花は、救いの手を差しのべた。

「なんだい君は? 直のどこが嫌がってるというんだ」

「だって普段の直はもっと可愛いよー」

「直が美しいことはこの僕が一番知ってるさ。小娘風情が僕と直の間に入ってこようというのか……もしかして君は僕に惚れているのかい?」

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