翼を失くした天使の羽音
「すっ……すみませんっ」


声が響いて、



「いや……」


返事をしながら、地面に転がったピアスに目をやった。




あ……!
踏まれる!!


思った瞬間。



「あ! だめ――っ!!」



さっきの女のコが、大声で叫んで、ピアスを踏みそうだった人の動きを止めると。


小さな手で、ピアスを拾いあげた。



「お……お騒がせしました」


ペコペコ、頭を下げて周りの人達に謝るそのコに、俺は目を奪われた。




「あの……わたしっ……ごめんなさいっ」


申し訳なさそうに、差し出されたピアス。




「……いいよ。捨てたかったけど、捨てられずに困ってたんだ。君が拾ったんだ……捨てたって構わない」



俺は受け取らずに背を向けた。


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