『アイシテル』を忘れない。
「沙雪…別れよう?」
「うん…」
沙雪も、僕も、涙が流れていた。
「悠ちゃん、大好き。」
「うん。」
「愛してる。」
「うん。」
「悠ちゃんは?」
「…大好きだよ。愛してる。」
そう言って、僕は沙雪を抱きしめた。
「悠ちゃん…短い間だったけど、ありがとう。」
「…こちらこそ。」
沙雪も僕も、本当は別れたくない。
別れてしまったら、もうこんな風に抱き合う事もなくなるんだろう。
「悠ちゃん、これからは…友達に戻るんだよね?」
「うん…でも、大丈夫。普通の友達じゃなくって、俺達は、ちゃんと絆があるから。」
「悠ちゃん…。」
僕は、腕の力を強めた。
「沙雪…、愛してる。」
「うん…。」
「ずっと、愛してる。」
「…わたしも、悠ちゃんからの『愛してる』を忘れないよ…」
《これからも、ずっと。》