君といれたら
結局昨日は、あれから樹を家に送り届けて、自分も岐路についた。





車の中では他愛もない話をして終わったし、樹は終始笑顔だったから、何となくタイミングを逃してしまって。



要するに、何も核心には触れていない。







でも…何か気になる。







確かに笑顔で、いつも通りの樹だったけど、直感的に違うような気がした。


どこか無理してる。


そんな感じ。





でも、どこがって言われると…。






「よく分かんないんだよなぁ」







棚に置いてある自分のマグカップに手を伸ばしながら、反対の手でガシガシと頭を書く。







本当に単に変な夢でも見たのかもしれないし、どこかにぶつけて痛くて泣いたのかもしれない。



俺なんかに関わってほしくないかもしれないけど、もし何かあるなら知らないふりをするわけにもいかない。





昨日から、ずっとそんな考えが頭の中をループしてる。









まぁ、とりあえず…。




あとでちょっと様子でも見てみるか。


本も渡してないしな。








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